脱水バード

【妖怪説明】
山梨県富士川町、旧増穂町下高下・鰍沢町十谷に伝わる。

昔あるところにたくさん馬を飼っている家があった。その家の女の子が朝晩に馬に水をあげるよう言いつけられていたが、沢まで水を汲みに行くのが億劫なため言いつけ通りに水をやらなかった。
「水をくれたか」と聞かれれば「アアくれたよ」といつも空返事ですましていたので馬は始終喉が渇きせつない思いをしていた。

その馬の祟りか、やがて女の子は体中が真っ赤な羽毛で覆われた鳥に生まれ変わらされてしまった。挙げ句の果てには喉が渇き水を飲もうとして沢にかがみこむと真っ赤に燃える炎のように自分の姿が見えて恐ろしくてどうしても飲むことができなかった。

あっちの水たまりに行っても同じこと、こっちの水たまりにきても同じことで、しかたなしに天から落ちてくる雨を待って口に受けやっと喉の渇きをしのぐしかなかった。それも千粒の雨のうち一粒しか口に入らなかったので、いつもせつない思いをしていた。

それで少しでも日照りがつづけば「早く雨を降らしてくりょう」と泣き回ったので、だれと言うことなく「水乞い鳥」といったという。
だから動物は自分より以上にかわいがるものだという話。

「己身を鳥へとやつして知るは　馬の乾きのせつなきを」

【参考文献】
増穂町誌1042-1043p /鰍沢町誌879p

【商品説明】
直筆サインが入った１点ものの掛け軸です。
表装（絵柄）以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。（画像はサンプルです）
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm

【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
ギフトラッピングご利用時は配送方法・クリックポストはご利用いただけません。

【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm