妖怪139・鐚一文、焼かれ住職

身なりは僧侶であり袈裟もつけて正装をしているが、全身が黒ずんでおり煙をあげ目がギラギラと光っている。背中には賽銭箱を背負い、たくさんの銭貨の束を引きずっているという。

明治3年の夏の日のこと、茨城県にこんな話がある。
ある旅の男が泊まるところがないので、町外れの古びた廃寺に泊まることにした。夏のことであるし誰もこないだろうと夜空の下で眠りにつくと丑三つ時の頃になにやらジャラジャラという音がする。裏手にまわってみると全身が黒く煤け煙をあげている僧侶が賽銭箱をあけて銭を数えている。目はギラギラと瞬きもせず一心不乱に数えている。あまりにも異様な光景なので一目散に逃げ出し、次の日茶菓子屋の主人にそのさまを伝えると「それは鐚一文だ」という。廃仏毀釈で寺を焼かれた時、住職はあまりにがめつく賽銭箱を引きずり出そうとして火中に飛び込みそのまま焼け死んだ。今でも寺にくるものに賽銭を要求するというが、男の場合は旅の者だったので手持ちがないと思われ助かったのであろう。

エディションナンバーと直筆サインが入ります。
キャンバス・木枠、大きさ(SM:227mmx158mm)

¥ 3,500

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