妖怪473・栗原の亡魂(山梨・山梨市)
妖怪473・栗原の亡魂(山梨・山梨市)
¥5,500
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【妖怪説明】
山梨県山梨市に伝わる。
甲東栗原に一禅寺という古府中大泉寺の末寺がある。
享保の頃、住職が還俗したので後任として本寺から住職がやって来た。その夜、庫裡の梁上から焔の玉が出て飛び回り、本堂内が鳴動して本尊を壇下に落としたりした。
怪異が続いたので檀家の人々は新任の僧が破壊無慙なせいではないだろうかと疑ったが、住職は少しも騒がず「何年も異変の無い寺に、私が来てから様々の怪異が有るのは不思議ではある。しかし怪異の為に命を失うような事があっても、私は逃げない」と恐れなかった。
この寺に数代に渡って仕えている男がいた。
この怪異を不審に思い甘利村の不動尊が霊験あらたかと聞いて、不動の託宣を伺うに
『寺内の妖怪は狐狸、魍魎の仕業にあらず。昔この寺に、生きた者を葬る事があり。その亡魂が宇宙に動いて迷う。今までの住僧は学がたりず達することできず。今度の僧は廣賢博識にして面も持戒碩徳の哲人なので、願いをきいてもらおうと、本尊左脇の観音に憑いてこの様な事をしている。』と言う。
寺に帰り、報告すると和尚は
「もとより画像の不動、俗談の託宣を信ずるには足らない。」といい、それよりはと七昼夜の座禅を始めた。三日目の巳の刻のころ、外から障子を開けて、十八・九の美童と、十五・六の艶女が手に手を取り和尚の前を数回歩いた。
和尚が「何者ぞ」と問うと、二人は
「私達は近頃、御寺内に怪異をなした亡命の霊魂です。本当に和尚の行徳を慕って、助けてもらいたいと障りをなしました。」と落涙した。
和尚は「如何なる所以で堕獄の罪に」と聞くと、艶娘が
「恥ずかしながら、私は信玄公の長臣、この辺りを領した栗原左衛門の娘です。この人は、父が都に登った時、首領の男色の相手として伴って来た従者なのですが、私達はふとした事でなれそめて、恋に落ちてしまいました。人目を避けて会っているのが父の耳に入り、父はたいそう怒って、厚さ二寸の板で箱を作り、私達をその中に生きたまま押し込み、蛇やムカデやヤスデや蟻の類を入れ、蓋を釘付にして、この寺の乾の隅に埋められ、毒虫の為に苦しんで死にました。
その後、皆から忘れられ、ずっと浮かぶ事なく無間の底に沈み続けていました。和尚、お願いです。私達を救って下さい。」
わっと泣くと思うと、露霜のごとく姿を消し去った。
和尚は座禅の床を下り、寺内の乾の隅を見ると、林の中にうず高くなっているところがあった。
これはままならんと、それより七日間の施餓鬼を執り行い、満願の日に、そこを掘ってみると一つの箱があった。
蓋を外してみると、艶女は紅の衣、美童は白衣を着ており、二人の顔はまるで生きているかのようだった。
和尚が怪道一喝一聲すると、たちまち二人は白骨となった。
そして、境内は静かになり、和尚の道徳は広く知られることとなった。
「栗原左衛門娘の苦渋 僧の廣賢願い込め」
【参考】
『甲斐志料集成 裏見寒話』255p
山梨デザインアーカイブ「栗原の亡霊」
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#山梨 #山梨市 # #栗原左衛門 #一禅寺 #山梨の妖怪展2023
山梨県山梨市に伝わる。
甲東栗原に一禅寺という古府中大泉寺の末寺がある。
享保の頃、住職が還俗したので後任として本寺から住職がやって来た。その夜、庫裡の梁上から焔の玉が出て飛び回り、本堂内が鳴動して本尊を壇下に落としたりした。
怪異が続いたので檀家の人々は新任の僧が破壊無慙なせいではないだろうかと疑ったが、住職は少しも騒がず「何年も異変の無い寺に、私が来てから様々の怪異が有るのは不思議ではある。しかし怪異の為に命を失うような事があっても、私は逃げない」と恐れなかった。
この寺に数代に渡って仕えている男がいた。
この怪異を不審に思い甘利村の不動尊が霊験あらたかと聞いて、不動の託宣を伺うに
『寺内の妖怪は狐狸、魍魎の仕業にあらず。昔この寺に、生きた者を葬る事があり。その亡魂が宇宙に動いて迷う。今までの住僧は学がたりず達することできず。今度の僧は廣賢博識にして面も持戒碩徳の哲人なので、願いをきいてもらおうと、本尊左脇の観音に憑いてこの様な事をしている。』と言う。
寺に帰り、報告すると和尚は
「もとより画像の不動、俗談の託宣を信ずるには足らない。」といい、それよりはと七昼夜の座禅を始めた。三日目の巳の刻のころ、外から障子を開けて、十八・九の美童と、十五・六の艶女が手に手を取り和尚の前を数回歩いた。
和尚が「何者ぞ」と問うと、二人は
「私達は近頃、御寺内に怪異をなした亡命の霊魂です。本当に和尚の行徳を慕って、助けてもらいたいと障りをなしました。」と落涙した。
和尚は「如何なる所以で堕獄の罪に」と聞くと、艶娘が
「恥ずかしながら、私は信玄公の長臣、この辺りを領した栗原左衛門の娘です。この人は、父が都に登った時、首領の男色の相手として伴って来た従者なのですが、私達はふとした事でなれそめて、恋に落ちてしまいました。人目を避けて会っているのが父の耳に入り、父はたいそう怒って、厚さ二寸の板で箱を作り、私達をその中に生きたまま押し込み、蛇やムカデやヤスデや蟻の類を入れ、蓋を釘付にして、この寺の乾の隅に埋められ、毒虫の為に苦しんで死にました。
その後、皆から忘れられ、ずっと浮かぶ事なく無間の底に沈み続けていました。和尚、お願いです。私達を救って下さい。」
わっと泣くと思うと、露霜のごとく姿を消し去った。
和尚は座禅の床を下り、寺内の乾の隅を見ると、林の中にうず高くなっているところがあった。
これはままならんと、それより七日間の施餓鬼を執り行い、満願の日に、そこを掘ってみると一つの箱があった。
蓋を外してみると、艶女は紅の衣、美童は白衣を着ており、二人の顔はまるで生きているかのようだった。
和尚が怪道一喝一聲すると、たちまち二人は白骨となった。
そして、境内は静かになり、和尚の道徳は広く知られることとなった。
「栗原左衛門娘の苦渋 僧の廣賢願い込め」
【参考】
『甲斐志料集成 裏見寒話』255p
山梨デザインアーカイブ「栗原の亡霊」
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#山梨 #山梨市 # #栗原左衛門 #一禅寺 #山梨の妖怪展2023
モノプリント掛け軸紹介動画
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