妖怪475・大炊ヶ池の鏡(山梨・北杜市)
妖怪475・大炊ヶ池の鏡(山梨・北杜市)
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【妖怪説明】
山梨県北杜市大炊ヶ池(おおいがいけ)に伝わる。
昔、鳩川の畔に一軒の農家があり、美しい娘がいた。父は農業の合間に鳩川の魚を捕って暮らしていた。鳩川の源の大炊ヶ池では鰻などが多かったので最もよい猟場であった。
娘はあまりに美しいので界隈で評判であり、人知れず思い悩む青年も多く、縁談も少なくなかったが、応じようとはしなかった。
ある年の夏の初め、梅雨が小休みになる夕方に、一人の旅僧が訪れ、一夜の宿を請うたので家のものは快く招き入れた。
旅僧は慇懃に挨拶をし、仏壇に向かってお経をあげた。朗らかな読経の声、円満な顔立ち、気品ある態度、どこをみても只者ではない高僧の風格があり、夕食のあとの言葉の中にもますますこの感を深らししめた。
娘は異様の霊感を受け、恐ろしい動揺が胸に起こり一夜を悶々と明かした。翌朝旅立とうとする僧を彼女は、その草履ずれした足ではお気の毒、と無理に引き留めた。
その日から、鏡に向かい化粧に身をやつすようになったので、その美しさは日増しに加わっていった。そして身振りや言葉に燃える思いをこめて僧をもてなすのだが、僧は微動だにしなかった。たまりかねた彼女は、心のうちを父に打ち明け、僧との結婚を申し込んでもらった。
父を通じて娘の意中を知った僧は微動だにせず
「主人が漁を止めるならば応じよう、僧侶として生類の命を絶やす猟師の娘と結婚することはできない」と言った。
娘は願いを叶えてくれるとう父に願うが、父は生計のため娘の願いを叶えることはできなかった。娘は諦めず、僧にさらなる逗留を請うて、その間に父の心を変えようとした。旅僧は長い逗留を気の毒に思い、托鉢をして暮れ方に帰ることにした。
父が漁に、僧が托鉢にでた後で、娘は例の如く鏡に向かって化粧を始めた。すると、顔に魚の鱗のような痣があるのを発見した。非常に驚き、あれこれと薬を試したが少しも効果はなく、鱗片は日に日に広がっていった。
ある朝、いつものように憂を胸に抱きながら鏡を探すがどうしたことか見つからない。娘は失望落胆はたの見る眼もあわれであった。そのうちに旅僧が引き留めるも固辞して旅立つこととなった。彼女は我を忘れて僧の後を追って家を出た。
僧は錫杖を鳴らしながら大炊ヶ池へ近づいていき、不思議なことに霧のように池の中に消え失せてしまった。呆然とみていた彼女の心には異様の感が湧き起こった。
父の殺生に対する魚神の祟り、それを感じた娘は、恐怖に襲われて自らもこの池に身を投げて魚神の怒りを鎮めようと身を躍らせて池の中へ飛び込んだ。
この話を聞いた村人は、娘の逢瀬ない心根を思って憐れんだ。
鏡を盗んだ悪太郎も恐ろしくなり鏡を池に沈め、彼女の元に謝罪して返した。
現在も鏡は池に沈んでいるといい、旱魃のときは鏡を取り出して祈れば雨が降るとされた。池にいる彼女が鏡恋しさに望みを叶えてくれるのだという。
「魚神の祟りに娘の逢瀬 鏡恋しき鱗を写せど」
【参考文献】
『郷土研究第二韓 第一冊 口碑傳説集』北巨摩郡教育會 郷土研究部 12p
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#山梨 #北杜市 #大炊ヶ池 #鏡 #山梨の妖怪展2023
山梨県北杜市大炊ヶ池(おおいがいけ)に伝わる。
昔、鳩川の畔に一軒の農家があり、美しい娘がいた。父は農業の合間に鳩川の魚を捕って暮らしていた。鳩川の源の大炊ヶ池では鰻などが多かったので最もよい猟場であった。
娘はあまりに美しいので界隈で評判であり、人知れず思い悩む青年も多く、縁談も少なくなかったが、応じようとはしなかった。
ある年の夏の初め、梅雨が小休みになる夕方に、一人の旅僧が訪れ、一夜の宿を請うたので家のものは快く招き入れた。
旅僧は慇懃に挨拶をし、仏壇に向かってお経をあげた。朗らかな読経の声、円満な顔立ち、気品ある態度、どこをみても只者ではない高僧の風格があり、夕食のあとの言葉の中にもますますこの感を深らししめた。
娘は異様の霊感を受け、恐ろしい動揺が胸に起こり一夜を悶々と明かした。翌朝旅立とうとする僧を彼女は、その草履ずれした足ではお気の毒、と無理に引き留めた。
その日から、鏡に向かい化粧に身をやつすようになったので、その美しさは日増しに加わっていった。そして身振りや言葉に燃える思いをこめて僧をもてなすのだが、僧は微動だにしなかった。たまりかねた彼女は、心のうちを父に打ち明け、僧との結婚を申し込んでもらった。
父を通じて娘の意中を知った僧は微動だにせず
「主人が漁を止めるならば応じよう、僧侶として生類の命を絶やす猟師の娘と結婚することはできない」と言った。
娘は願いを叶えてくれるとう父に願うが、父は生計のため娘の願いを叶えることはできなかった。娘は諦めず、僧にさらなる逗留を請うて、その間に父の心を変えようとした。旅僧は長い逗留を気の毒に思い、托鉢をして暮れ方に帰ることにした。
父が漁に、僧が托鉢にでた後で、娘は例の如く鏡に向かって化粧を始めた。すると、顔に魚の鱗のような痣があるのを発見した。非常に驚き、あれこれと薬を試したが少しも効果はなく、鱗片は日に日に広がっていった。
ある朝、いつものように憂を胸に抱きながら鏡を探すがどうしたことか見つからない。娘は失望落胆はたの見る眼もあわれであった。そのうちに旅僧が引き留めるも固辞して旅立つこととなった。彼女は我を忘れて僧の後を追って家を出た。
僧は錫杖を鳴らしながら大炊ヶ池へ近づいていき、不思議なことに霧のように池の中に消え失せてしまった。呆然とみていた彼女の心には異様の感が湧き起こった。
父の殺生に対する魚神の祟り、それを感じた娘は、恐怖に襲われて自らもこの池に身を投げて魚神の怒りを鎮めようと身を躍らせて池の中へ飛び込んだ。
この話を聞いた村人は、娘の逢瀬ない心根を思って憐れんだ。
鏡を盗んだ悪太郎も恐ろしくなり鏡を池に沈め、彼女の元に謝罪して返した。
現在も鏡は池に沈んでいるといい、旱魃のときは鏡を取り出して祈れば雨が降るとされた。池にいる彼女が鏡恋しさに望みを叶えてくれるのだという。
「魚神の祟りに娘の逢瀬 鏡恋しき鱗を写せど」
【参考文献】
『郷土研究第二韓 第一冊 口碑傳説集』北巨摩郡教育會 郷土研究部 12p
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#山梨 #北杜市 #大炊ヶ池 #鏡 #山梨の妖怪展2023
モノプリント掛け軸紹介動画
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