妖怪549・浄蓮の瀧の女郎蜘蛛ver2(静岡・伊豆市)
妖怪549・浄蓮の瀧の女郎蜘蛛ver2(静岡・伊豆市)
¥5,500
SOLD OUT
【妖怪説明】
静岡県伊豆市の浄蓮の滝に伝わる。
この滝の近くに青木某という農夫がいた。
ある日、滝の近くの畑を耕して日が傾いた頃、煙草を吸おうと腰をおろした。そのとき、どこからかたくましい女郎蜘蛛が足にあがってきて太い糸をひいて去った。
煙草の吸い殻を何度かたたいたのち、ふと気がつくと無数の糸が足をまいていた。彼は朗らかな気持ちで蜘蛛の巣糸の営みをながめ、踏み躙る気にはなれなかったので、そのまま近くの桑の古株に巻き付けてやった。
煙草入れを腰にさし、再び立ち上がった時、嵐の様な滝の響きがして風もないのに梢がゆれた。
たたごとではない、と空を仰いだ時、大地が怪しくゆれて蜘蛛の糸をまきつけた桑の古株がめりめりと抜けて引かれて行った。足をふみしめてあとを追うと、桑の株は滝壺に飲まれていった。
畑の桑の株の深くえぐられた跡をみた彼は、再び鍬を振るう勇気はなかった。
その後、浄蓮の滝の主は女郎蜘蛛だという噂が高くなった。
それから数年後、よそからきた一人の木樵が滝の古木を刈っていた。滝の怪を知らないので平気で仕事をしていたが、誤って秘蔵の鉈を滝壺に落としてしまった。諦めきれないので、すぐに着物を脱いで滝壺に踊り込んだ。
「もしもし」
やさしい女の声が水中に聞こえる。
思わず顔をあげると妖艶な若い女が岩陰から半身を現して、片手に木樵の落とした鉈を握っている。
「あなたの落とした鉈は返してあげますが、わたしのことを口外すると生命はありませんよ。私はこの淵の主の女郎蜘蛛…」
木樵は鉈を受け取り、そのまま夢見心地で水の上に浮かびだした。しばらくたってから木樵が気がつくと、滝の岸の岩に鉈を握って抱きついていた。
それから里人にそれとなく聞いてみると青木某の話を聞きおよび、感じ入るものがあった。
ある冬の夜、木樵は酒を飲み口をすべらせ自分がみた怪異を語ってしまった。
そしてその夜、忽然とあの世へ旅立ってしまった。
「桑の大樹も引き込む蜘蛛糸 艶で惹きこむ淵の底」
【参考資料】
『伊豆伝説集』後藤江村 著 281p「浄蓮の瀧の怪異」
『【新版】日本の民話4伊豆の民話』岸なみ 編 134p「浄蓮の滝の女郎ぐも」
『読みがたり 静岡のむかし話』静岡県むかし話研究会 178p「女郎グモと佐市」
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#静岡 #伊豆市 #浄蓮の滝 #女郎蜘蛛 #静岡と身延の妖怪展
静岡県伊豆市の浄蓮の滝に伝わる。
この滝の近くに青木某という農夫がいた。
ある日、滝の近くの畑を耕して日が傾いた頃、煙草を吸おうと腰をおろした。そのとき、どこからかたくましい女郎蜘蛛が足にあがってきて太い糸をひいて去った。
煙草の吸い殻を何度かたたいたのち、ふと気がつくと無数の糸が足をまいていた。彼は朗らかな気持ちで蜘蛛の巣糸の営みをながめ、踏み躙る気にはなれなかったので、そのまま近くの桑の古株に巻き付けてやった。
煙草入れを腰にさし、再び立ち上がった時、嵐の様な滝の響きがして風もないのに梢がゆれた。
たたごとではない、と空を仰いだ時、大地が怪しくゆれて蜘蛛の糸をまきつけた桑の古株がめりめりと抜けて引かれて行った。足をふみしめてあとを追うと、桑の株は滝壺に飲まれていった。
畑の桑の株の深くえぐられた跡をみた彼は、再び鍬を振るう勇気はなかった。
その後、浄蓮の滝の主は女郎蜘蛛だという噂が高くなった。
それから数年後、よそからきた一人の木樵が滝の古木を刈っていた。滝の怪を知らないので平気で仕事をしていたが、誤って秘蔵の鉈を滝壺に落としてしまった。諦めきれないので、すぐに着物を脱いで滝壺に踊り込んだ。
「もしもし」
やさしい女の声が水中に聞こえる。
思わず顔をあげると妖艶な若い女が岩陰から半身を現して、片手に木樵の落とした鉈を握っている。
「あなたの落とした鉈は返してあげますが、わたしのことを口外すると生命はありませんよ。私はこの淵の主の女郎蜘蛛…」
木樵は鉈を受け取り、そのまま夢見心地で水の上に浮かびだした。しばらくたってから木樵が気がつくと、滝の岸の岩に鉈を握って抱きついていた。
それから里人にそれとなく聞いてみると青木某の話を聞きおよび、感じ入るものがあった。
ある冬の夜、木樵は酒を飲み口をすべらせ自分がみた怪異を語ってしまった。
そしてその夜、忽然とあの世へ旅立ってしまった。
「桑の大樹も引き込む蜘蛛糸 艶で惹きこむ淵の底」
【参考資料】
『伊豆伝説集』後藤江村 著 281p「浄蓮の瀧の怪異」
『【新版】日本の民話4伊豆の民話』岸なみ 編 134p「浄蓮の滝の女郎ぐも」
『読みがたり 静岡のむかし話』静岡県むかし話研究会 178p「女郎グモと佐市」
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#静岡 #伊豆市 #浄蓮の滝 #女郎蜘蛛 #静岡と身延の妖怪展
モノプリント掛け軸紹介動画
別途ギフトラッピング承ります。