妖怪319・地震の親父つぁま(宮城・登米郡)
妖怪319・地震の親父つぁま(宮城・登米郡)
¥5,500
【妖怪説明】
宮城県栗原市栗駒町猿飛来に伝わる。
昔、あるところに野郎っこがいて「なんとかして海のむこうさ行ってみでぇ」と思っていた。
舟を漕いで出かけることにしたが、家を出る際に母やんが「餓鬼、飯鬼。これ、遠ぐさ行ぐのだから、こいづ持って行げ。大事な時だけ出すてみろよ」と形見の品を渡してくれた。
海を超えて向こうの島についてみると、山の中に一軒家があった。そこにはかあちゃんみたいな女の人がおり「一晩、泊めでけらいん」と頼むと「ああ良がす。ほんでぇ、泊まらいん」と泊めてもらうことになった。
夜中になってみると、ゆらゆらゆらっと家が揺れる。驚いて「おっかねぇごど、なんだか、家、たまげて揺れる」というと「ああ、おら家の親父つぁん山から木を背負って出てくるどごだ」という。
山で木を刈ってくるのにこんなに揺れるのかな?と思っていると、ますます揺れて立っていられなくなる。あまりに驚いてちぢこまっていると、かあちゃんが見にきて「たまげたがぁ」という。
「おっかねぐて、おっかねぐてわがんねぇわやぁ」と震えていると
「いま、おら家の親父つぁん、木小屋さ木ぃ下ろしたどごだ」
「なんだって、たまげて揺れるんだべ」
「ほだって、おら家の親父つぁん、地震だからっしゃ」
野郎っこは、木を背負って歩くだけでもこんなに揺れるなんて、とてもおっかなくて泊まるところではない、と逃げることにした。
地震の親父つぁまが帰ってくると野郎っこを眺めてかあちゃんに
「ああ、いい野郎っこだ。家さ置いで仕事させっぺ」
ところがその隙に野郎っこは家から出て逃げる、逃げる。海に向かって逃げる。
「あんだ、あんまり揺するから、たまげて逃げでった」
「んで、追っかげなぐでねぇ」
親父つぁんが追っかけるが地震なので歩けば歩くほど揺れる。野郎っこは走るにも走られない。
前に進んだと思えば逆戻りしたり、どんどん親父つぁんとの距離が縮まって追いつかれそうになる。
乗ってきた舟になんとかたどり着いて乗り込んだ。すると地震も別の舟に乗ってやってくる。
地震だから海がざふりざふり揺れる。野郎っこの舟はさっぱり進まない。
そのうち地震は大きな熊手を持ってきて野郎っこの舟にがつんと掛けてきた。見る間に引き寄せられて「ああ、どうにもなんねぇ」と思った時に、家を出る時に渡された形見を思い出した。
開けてみると金物を切るのにちょうどいいヤスリが入っている。
「ああほんでえ、こいづで熊手の歯、擦って切んべ」
死に物狂いで擦る。野郎っこ「家さ帰んべ」として擦る。地震のほうは「われほうさ、舟、よせべ」と引っぱる。両方でそんなことをひゃっているうちに、熊手の歯がヤスリで切れて野郎っこの舟は陸にむかっていった。
「やれやれ、助かった」と陸にあがるが、それでも地震はあきらめずに追っかけてくる。
野郎っこは逃げた逃げた。だが自身は足が速いので追いつかれそうになる。
そこに、松の木があったので登った。木の下には井戸がある。そこに地震が追っかけきて井戸の中をみると底の水に映った野郎っこがいる。
「なんだ、このっ。そごにいだなぁ」
「よしよし」
松の木の上で野郎っこは舌をぺろっと出して見せた。すると地震は怒って
「この野郎、おれどごさ、舌出してけつかったな」
と井戸の中に飛び込んだ。井戸の中は深くて水があるので上がることができない。
野郎っこは「助かった、助かった」と松の木からおりて、井戸の中に大きい石やら土やらを井戸が埋まるくらい放り込んだ。地震は井戸に埋まって出られなくなった。
いまでも揺れる地震は、井戸の中で外へ出ようともがいているからだそうだ。
「母の形見を舟出の供に 地震に追われる野郎っこ」
【参考資料】
『楳原村男翁の唄と語り 栗駒町猿飛来に伝わる伝承』「井戸に落ちた地震」小野和子
引用:宮城妖怪事典(仮)より
http://blog.livedoor.jp/miyagiyokai/archives/24082013.html
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#地震の親父つぁま #宮城 #登米郡 #地震 #栗原市 #宮城の妖怪展2021
宮城県栗原市栗駒町猿飛来に伝わる。
昔、あるところに野郎っこがいて「なんとかして海のむこうさ行ってみでぇ」と思っていた。
舟を漕いで出かけることにしたが、家を出る際に母やんが「餓鬼、飯鬼。これ、遠ぐさ行ぐのだから、こいづ持って行げ。大事な時だけ出すてみろよ」と形見の品を渡してくれた。
海を超えて向こうの島についてみると、山の中に一軒家があった。そこにはかあちゃんみたいな女の人がおり「一晩、泊めでけらいん」と頼むと「ああ良がす。ほんでぇ、泊まらいん」と泊めてもらうことになった。
夜中になってみると、ゆらゆらゆらっと家が揺れる。驚いて「おっかねぇごど、なんだか、家、たまげて揺れる」というと「ああ、おら家の親父つぁん山から木を背負って出てくるどごだ」という。
山で木を刈ってくるのにこんなに揺れるのかな?と思っていると、ますます揺れて立っていられなくなる。あまりに驚いてちぢこまっていると、かあちゃんが見にきて「たまげたがぁ」という。
「おっかねぐて、おっかねぐてわがんねぇわやぁ」と震えていると
「いま、おら家の親父つぁん、木小屋さ木ぃ下ろしたどごだ」
「なんだって、たまげて揺れるんだべ」
「ほだって、おら家の親父つぁん、地震だからっしゃ」
野郎っこは、木を背負って歩くだけでもこんなに揺れるなんて、とてもおっかなくて泊まるところではない、と逃げることにした。
地震の親父つぁまが帰ってくると野郎っこを眺めてかあちゃんに
「ああ、いい野郎っこだ。家さ置いで仕事させっぺ」
ところがその隙に野郎っこは家から出て逃げる、逃げる。海に向かって逃げる。
「あんだ、あんまり揺するから、たまげて逃げでった」
「んで、追っかげなぐでねぇ」
親父つぁんが追っかけるが地震なので歩けば歩くほど揺れる。野郎っこは走るにも走られない。
前に進んだと思えば逆戻りしたり、どんどん親父つぁんとの距離が縮まって追いつかれそうになる。
乗ってきた舟になんとかたどり着いて乗り込んだ。すると地震も別の舟に乗ってやってくる。
地震だから海がざふりざふり揺れる。野郎っこの舟はさっぱり進まない。
そのうち地震は大きな熊手を持ってきて野郎っこの舟にがつんと掛けてきた。見る間に引き寄せられて「ああ、どうにもなんねぇ」と思った時に、家を出る時に渡された形見を思い出した。
開けてみると金物を切るのにちょうどいいヤスリが入っている。
「ああほんでえ、こいづで熊手の歯、擦って切んべ」
死に物狂いで擦る。野郎っこ「家さ帰んべ」として擦る。地震のほうは「われほうさ、舟、よせべ」と引っぱる。両方でそんなことをひゃっているうちに、熊手の歯がヤスリで切れて野郎っこの舟は陸にむかっていった。
「やれやれ、助かった」と陸にあがるが、それでも地震はあきらめずに追っかけてくる。
野郎っこは逃げた逃げた。だが自身は足が速いので追いつかれそうになる。
そこに、松の木があったので登った。木の下には井戸がある。そこに地震が追っかけきて井戸の中をみると底の水に映った野郎っこがいる。
「なんだ、このっ。そごにいだなぁ」
「よしよし」
松の木の上で野郎っこは舌をぺろっと出して見せた。すると地震は怒って
「この野郎、おれどごさ、舌出してけつかったな」
と井戸の中に飛び込んだ。井戸の中は深くて水があるので上がることができない。
野郎っこは「助かった、助かった」と松の木からおりて、井戸の中に大きい石やら土やらを井戸が埋まるくらい放り込んだ。地震は井戸に埋まって出られなくなった。
いまでも揺れる地震は、井戸の中で外へ出ようともがいているからだそうだ。
「母の形見を舟出の供に 地震に追われる野郎っこ」
【参考資料】
『楳原村男翁の唄と語り 栗駒町猿飛来に伝わる伝承』「井戸に落ちた地震」小野和子
引用:宮城妖怪事典(仮)より
http://blog.livedoor.jp/miyagiyokai/archives/24082013.html
【商品説明】
直筆サインが入った1点ものの掛け軸です。
表装(絵柄)以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。(画像はサンプルです)
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm
【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531
【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm
#地震の親父つぁま #宮城 #登米郡 #地震 #栗原市 #宮城の妖怪展2021
モノプリント掛け軸紹介動画
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