【妖怪説明】
旧湯沢(甲西町)、旧中野村(櫛形町)に伝わる。

ほんの少し昔に、湯沢に両吉さんという正直でやさしいおじいさんがいた。
あるとき山ひとつこえた中野村の親戚の家へ、おばあさんに作ってもらった握り飯５つと庭のザクロをいくつかを背中のかごにいれて、でかけていった。

午後３時ころに家をでたがなかなか山が越せない。どうやらムジナがバカしているらしく後ろの方からヒタヒタと音がする。そこで、大きな杉の木の根元に座り込んでキセルをだしてたばこに火をつけた。

「おい、ムジナよ。何でおれをだますんだ？」
と聞くが火をこわがって何も言わない。
たばこを吸い終わると突然大きな手が杉の木の上から現れた。人の手の２倍もあったが両吉さんはおどろかず

「火はまだあるぞ」
と隠していたもう１本のキセルをみせた。大きな手が震えだしたので「何が欲しい？」と聞くと、手は開いたり閉じたりする。
「そうか、腹が減ったか」というと、手はこぶしをつくってうなずく。
「これをあげよう」とザクロを１つとりだすと、足りないらしく手が横にふっている。
「いくつだ？」ときくと５本の指が開いた。

業を煮やした両吉さんがキセルを振りかざすと、大きな手は５匹の親子連れのムジナになった。両吉さんは笑いながらザクロを５つとにぎりめしもみんなムジナにやり
「もう人をだますんじゃねえぞ」と言った。

それ以来ムジナに化かされる人はいなくなったという。

「腹が減ったか親子のむじな 欲しいぞザクロと握り飯」

【参考文献】
『甲州むかし話 上巻』 山梨日日新聞社

【商品説明】
直筆サインが入った１点ものの掛け軸です。
表装（絵柄）以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。（画像はサンプルです）
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm

【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531

【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm

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