【妖怪説明】
旧中巨摩郡龍王町に伝わる。

竜王水が湧いたことで知られる慈照寺が江戸時代に貧乏になってしまった。
住職は猫を飼っていたが、とうとう食うものがなくなった。
「仕方がねえ。非常食用のネコを食うか？」すると猫は抗議した。
「そりゃないでしょう。犬もたぬきもみんないなくなるなかで、私だけがこうしてそばにいてあげたのに」
「考えてみりゃあ、それもそうだ。おれが悪かった。さあ、どこかへ行って飼ってもらえ」
しかし猫は健気だった。
長い間寺で飼ってもらったお礼に、甲府の知り合いの猫に頼んで旗本の葬式をこの寺にもってきてもらうという。「ありがとよ」とは行ったが住職はあてにもしていなかった。

ある日甲府の旗本の家に葬式があり、その途中に黒雲がやってきて雲にのった魔物が棺桶をひょいっとつかんで慈照寺までもってきてしまい山門できえた。棺は新しい墓地の上にあった。
「これも何かの縁」と旗本の家では慈照寺の檀家となった。

住職はあの猫が本当に約束を果たしてくれた、と喜こび、少しづつ寺も栄えるようになった。

ある晩、夢に猫が現れ「和尚さん、よかったでしょう。ニャーゴ。もう貧乏暮しをしなくてすみますよ」
住職は猫が恋しく食べようと思ったことを後悔したが戻ってこなかったので、境内にしのんで塚を建てた。これを今も「猫塚」と呼ぶ。

黒雲に乗って棺をさらうのは「火車」を彷彿とさせるが、この猫は火車の友達のようである。

「飼えば猫とて恩義もひとつ 寺が貧して火車を呼び」

【参考文献】
『甲斐の伝説』土橋里木 / 『甲州むかし話 下巻』山梨日日新聞社

【商品説明】
直筆サインが入った１点ものの掛け軸です。
表装（絵柄）以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。（画像はサンプルです）
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm

【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
https://orochi.theshop.jp/blog/2021/01/09/155531

【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm

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