ファイヤー木人形

【妖怪説明】
ひでののろい。山梨県早川町原村に伝わる。

山伏峠から静岡の阿部に通じて早川に入る雨畑林道という大事な道があり、峠の付近は景色はいいが山深く、村の衆は領地の境など気にせずけものをとってくらしていた。

ところが、雨畑の原村でかたぶつが名主になり、お上のいいつけだといって村の衆に阿部の領地に入るのを止めたり雨畑分に入ることを禁じた。
村の衆は長い間くせがついているため禁を守らないので、雨畑分に入った阿部の人をみせしめにつかまえ太い桧にしばりつけた。

何日かして阿部の衆が雨畑分に入るとしばられていた人はとっくに死んでおり、顔や腹をてんにくいやぶられ二目と見られない姿になっていた。阿部の衆は怒り、なんとか仕返しをしようということになった。

何日かして八紘領からから七面山を下り雨畑川を越えて、日のくれかかった原村に山伏たちが入ってきた。
「名主の家はどこずらなあ」「人ごろしの家はどこずらなあ」
村の衆に聞いて、名主の家の前に七人の山伏が手に桧炬火をにぎって並んだ。

桧炬火(ひで)とは、桧の赤みのつよい油っぽいところで、松炬火(あかし)にくらべると火力は弱く油えんは少ない。
山伏たちは
「あかしじゃないぞよ、ひでだぞよ。あかしじゃないぞよ、ひでだぞよ」
と言いながら屋根に投げた。

桧炬火はどれも小さな人形につくってあり、次の朝屋根いっぱいに刺さったさまをみて村の衆は肝をつぶし、名主の家もそれから間もなくわけのわからない火事で燃えてしまった。
「あんねに、さかいのことをいわねえいいものを」
名主を気の毒がったり、わるくいう村の衆は、それから桧炬火を使うことは決してなかったという。

「人形呼びし不明の火炎　さかいのことをいわねえいい」

【参考文献】
増穂町誌1042-1043p /鰍沢町誌879p

【商品説明】
直筆サインが入った１点ものの掛け軸です。
表装（絵柄）以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。（画像はサンプルです）
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm

【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
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【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm