【妖怪説明】
静岡県静岡市に伝わる。

駿府に近い瀬名の村に重えもんさんの家があり、裏に大きな竹やぶがあった。
いつのころからか、この竹やぶの奥から、ぽくり、ぽくりと、米をつく音がしてくるようになった。
村のどの家にもしのびよるようにひびいてくるので噂になり、村人が重えもんさんに聞いてみると裏の竹やぶから聞こえてくるようだという。
「前に、ざとうが村にきたってだれかがいってたで、そいつが住みついてるじゃあないか」
「かくれざとうか」

そのうちに村の女しゅうが、子供が夜にないたりすると

それそれ　きこえる　ぽくりぽくり
かくれざとうがやってくる
ぽくり　ぽくり　げたはいて　かくれざとうがやってくる
なく子　こまる子　つれてくぞ

とうたうように言うようになった。

ある日、三人の若者が確かめにいくことになった。
おぼろ月夜のうすあかりのなか、ぽくり、ぽくり、と音がするが音は近くも遠くもならない。
どんどん竹やぶの中にすすむが、音がすっすっと逃げていくように遠ざかる。走って追いかけてもたどりつくことはできず、若者たちは次第に恐ろしくなって逃げ出してしまった。

それから数ヶ月後。北風がふく寒い夜。
夜遅くに重えもんさんの家を、白いあごひげをたらした老人が訪ねてきてなべをさしだした。
裏のやぶに住んでいたかくれざとうだが、旅立つのでなべをあずかってほしいという。
それから、音は聞こえなくなったが三年たっても五年たっても、かくれぞとうからはたよりがなく、なべはずっと重えもんさんの家におかれたままになったという。

「ぽくりぽくりと米つく音よ 鍋を預けて音がなし」

【参考資料】
『静岡県の昔なばし あしたかのほら貝』清水達也 152p
資料提供：猫化不来


【Purple snow】

【商品説明】
直筆サインが入った１点ものの掛け軸です。
表装（絵柄）以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。（画像はサンプルです）
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm

【ギフトラッピングについて】
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【Description】
One piece art work with autograph.
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