【妖怪説明】
静岡県熱海市下多賀に伝わる。

高橋登氏(大正十三年生まれ)が祖母ユクさんから聞いていた話。
ナライシブタ(晩秋から初冬にかけて海上から吹き付ける冷たい風雨)が吹き付ける頃、晩ころに神社下の御浜付近を通ると網代の奥の方から「イナブラさん」がやってきて人が攫われると怖れられた。田圃の稲叢のような格好をしており人にオッカブサッテくるという。イナブラは稲叢の伊豆地方の訛りとのこと。急いで逃げようとすると急いで追いかけてくるし、立ち止まると、向こうも止まる。

見た人は何人もおり祖母のユクさんも子供の頃に追いかけられた。浜の家にとびこんで助かったが２、３人が隠されたという。
イナブラさんにかぶさられた「シ(人のこと)」は死骸も残らないといわれ、ナライシブタに乗ってくるともいう。

また、似たような性質の「スマブクロ」も報告されており、脱穀したスマを入れておく南京袋のことだという。

下多賀では神さんもナライの風にのってくるといわれており、十月十八日の祭礼には必ずナライが吹くという。

「逃げて追うての果てには消えて ナライシブタとともにあり」

【参考資料】
『民間伝承 45(2)(321)』六人社50p「伊豆の妖怪譚「イナブラさん」と「スマブクロ」」
『日本怪異妖怪事典 中部』高橋郁丸,毛利恵太,怪作戦テラ 著

【Purple snow】

【商品説明】
直筆サインが入った１点ものの掛け軸です。
表装（絵柄）以外の部分も特殊加工の印刷により仕上げてあります。
すべて布製ですので耐久性に優れており、収納もしやすくなっています。
説明の短冊がつきます。（画像はサンプルです）
表装部の大きさ 幅30cm x 高さ60cm

【ギフトラッピングについて】
詳しくはこちらをご覧ください。
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【Description】
One piece art work with autograph.
Special processing printing. Made of cloth. It has excellent durability and is easy to store. An explanation tag will be attached. (The image is a sample)
Size: W 30 cm x H 60 cm

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